ボルソナーロ氏の支持者らに後悔なし、1月8日の暴動の後で
ブラジル・ブラジリア(CNN) 1人の男性が拳を握り締め、バスの小さな窓から身を乗り出さんばかりに訴えている。バスは10日、南米ブラジルの首都ブラジリアにある連邦警察本部を後にした。
「勝利は我々のものになる」。男性が叫ぶ。「これが我々の自由だ!」
男性を含むボルソナーロ前大統領の支持者1500人超がこれまで逮捕された。国の議会や最高裁、大統領宮殿へ8日に押し入ったためだ。一部は刃物や斧(おの)、手榴(りゅう)弾で武装。2年前の1月6日に米国で起きた連邦議会議事堂襲撃を彷彿(ほうふつ)させる状況だった。
逮捕者の多くは現在連邦警察の手続きを経て釈放されており、起訴はされない見通し。
「我々の旗は絶対に赤く染まらない」。男性はそう連呼していた。左派のルラ大統領が率いる労働党を意識した発言とみられる。
男性の隣では、共にボルソナーロ氏を支持するワグネル・ロペス・ロウレイロさんも負けじと気勢を上げる。2晩を拘置所で過ごした後で、「どんな時も! どんな時も戦い続ける」「この恥ずべき事態を続けさせるわけにはいかない」と力を込めた。
この2人の男性は、8日の行政府への襲撃に関与した多くのボルソナーロ氏の支持者と同様、昨年の大統領選の結果を認めるのを拒んでいる。選挙はルラ氏が僅差(きんさ)で勝利。数十年ぶりの大接戦となった。
当局はボルソナーロ氏支持のデモ参加者の大部分を釈放した。彼らは首都での暴動や政府施設を荒らす行為に関わった疑いで逮捕されていた。
釈放された人々の大半は、悪事を働いたとの見方を否定している。
まだ拘束されている人々のうち、女性のデモ参加者1人はCNNの取材に電話で答え、他の参加者と共に政府の建物に押し入ったと明かした。それでもやはり、いかなる暴力行為にも関与していないと主張した。