ボルソナーロ氏の支持者らに後悔なし、1月8日の暴動の後で
「現在も(警察は)まだ取り調べをしている。昨日は高齢者や健康に問題のある人たちが対象だった」。女性は警察本部内の様子についてそう語った。逮捕者には収監されるのか釈放されるのかはっきりとしたことが告げられず、現場は混乱に陥っているという。
8日以降、あまりに多くのデモ参加者を拘束したため、当局は彼らを警察本部の体育館に収容している。多くは電話を所持することが許されたので、現場の画像や動画を送信する人もいた。
前出の女性は、50日間にわたって首都の陸軍本部の外で抗議していたという。軍の介入によって選挙結果を覆してほしいとの願いからだ。女性は選挙がボルソナーロ氏から盗まれたと考えている。
ボルソナーロ氏は大統領選に先駆け、ブラジルの選挙制度に関する懸念を強調。電子投票のシステムを批判し、不正が行われるとの見方を公言していた。選挙結果を明確に認めることも拒否したが、ブラジル軍によると選挙不正の兆候は見つかっていない。同氏は8日の暴動を非難している。
前出のデモ参加者の女性にとって、問題の中心はルラ氏だ。前回大統領に就任した際には非常に高い人気を誇ったが、その後汚職の罪で服役した。同氏の有罪判決は2021年3月、ある判事の法的解釈によって無効となった。同判事はルラ氏の裁判を巡り、正しい法管轄で再審理を行うよう命令。同氏の政界復帰に道を開いた。
上記の女性は「私はルラ氏を受け入れない」「我々は彼が大統領になるのに同意しなかった。対立候補に何票入ったのか知りたかった」と説明した。
その上で「自分はテロリストではない。武器を持っていない」と付け加えた。誰が暴動を開始したのかは確認できなかったが、発生までは「あっという間だった」と振り返った。
当日はブラジルの民主主義にとって最も暗い部類の日となったが、女性に後悔は全くない。自分は顔も隠さず、爆弾も持たず、民主的にあの場にいたと主張する。「子どもたちの未来のため、自分の信じるもののためだ」「自ら行動を起こしてこその民主主義ではないのか?」
しかしブラジルの大部分の人々にとって、8日の暴動は女性が守っていると信じる民主主義そのものに対する侮辱に他ならなかった。ボルソナーロ氏の再選を望んだ人たちでさえ、多くはそう捉えていたのが実情だった。