原因不明の空中衝突警報続出、存在しない航空機に警戒促す 米首都の事故現場付近

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アメリカン航空の旅客機と軍用ヘリコプターが空中衝突した事故直後に撮影されたロナルド・レーガン・ナショナル空港の様子=1月、米首都ワシントン/Andrew Harnik/Getty Images

アメリカン航空の旅客機と軍用ヘリコプターが空中衝突した事故直後に撮影されたロナルド・レーガン・ナショナル空港の様子=1月、米首都ワシントン/Andrew Harnik/Getty Images

(CNN) 米首都ワシントン近くのロナルド・レーガン・ナショナル空港に着陸しようとした民間機で1日、誤った空中衝突警戒警報が繰り返し出る現象が相次いだ。周辺を飛行中の航空機は存在しておらず、警報が出た原因は不明。米連邦航空局(FAA)は3日、この問題について調査していることを明らかにした。

警報が出たのは、1月29日にアメリカン航空の旅客機と米陸軍のヘリコプターが空中衝突した現場のすぐ近くだった。

FAAの発表によると、空中衝突防止装置(TCAS)に原因不明の警報が出たという報告は、複数の航空機から寄せられた。その空域を飛行中の航空機はほかにいなかったにもかかわらず、近くに他の航空機がいると告げる内容だった。

航空無線サイト「ライブATC」が傍受した無線によると、現地時間の1日午前9時過ぎ、リパブリック航空の操縦士から管制塔に対し、「高度約1200フィートを飛行中、何者かがこちらへ向かって真っすぐ突っ込んで来ていた」と連絡があった。

管制塔は着陸態勢に入った別のリパブリック機に対し、「今朝はずっとこの状態だ。何か見えたら教えてほしい。TCAS以外に誰も何も見ていない」と伝え、操縦士は「ああ、こちらにも多少ある」「TCASによれば、それは我々の600フィート上空にいた。我々には何も見えなかった」と応答した。

TCASは地上の管制塔からは独立して機能する。航空機に搭載されたトランスポンダーの無線周波数を使って周辺の空域を捜索し、衝突の可能性があると判断した場合、システムから操縦士に対して回避行動を指示する。

着陸が近づくと無線信号が干渉を受けて問題が発生することはあるものの、短時間の間にこれほど多くの航空機に誤った警報が出るのは普通ではない。

「11時の方向にトラフィックの報告。こちらには何もない」。PSA航空の操縦士は1日、管制塔にそう告げていた。「いや、そちらとその空域の間にトラフィックは確認されていない」

FAAによると、警報を受けて着陸を見合わせるゴーアラウンド(着陸やり直し)の回避行動を取った操縦士もいた。

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