NYダウが650ドル安、トランプ氏の関税政策受け カナダとメキシコに対し4日発動
対カナダ・メキシコ関税4日発動 トランプ氏の発言受けNYダウ650ドル安
ニューヨーク(CNN) 3日のニューヨーク株式市場は、トランプ米大統領によるカナダ、メキシコに対する関税政策への警戒感から値下がりを記録した。両国への関税は4日に発動する予定。
ダウ平均株価の終値は、前週末比650ドル安の4万3191ドルだった。午後には一時900ドル近く下落した。
S&P500種は1.76%、ナスダック総合指数は2.64%それぞれ値下がりした。前者は1日の下げ幅としては年初来最大。後者はトランプ氏の2期目の大統領就任以降、約6.5%落ち込んでいる。
トランプ氏は3日、ホワイトハウスでの会見で、メキシコとカナダからの輸入品に4日から25%の関税を課すと表明した。両国には交渉の余地がなく関税は避けられないとし、この措置によって米国との経済的な不均衡を是正すると示唆した。
トランプ氏は同日、中国からの輸入品の関税を10%から20%に引き上げる大統領令にも署名した。対中関税の意図は合成麻薬フェンタニルの米国への流入に歯止めをかけることだったが、中国側が十分な措置を講じないため、税率の引き上げに踏み切るとしている。
米コーネル大学で政府と公共政策を研究するグスタボ・フローレスマシアス教授は、関税を巡る不透明感から昨年の大統領選に続く株高が打ち消されたと説明。物価の上昇圧力も見込まれることで、投資行動が抑制されているとの見方を示した。
大統領に就任する前、トランプ氏は中国からの全輸入品に60%の関税をかけると約束していた。従って、税率は今後も引き上げられる可能性がある。