(CNN) マイケル・ジョーダンとコービー・ブライアントが米プロバスケットボール(NBA)のデビュー戦で着用したユニホームが、今春競売にかけられる。
バスケ界のレジェンド2人による「下積みからの第一歩」を象徴するこれらのユニホームは、2着合わせて2000万ドル(約29億6000万円)で落札されることが見込まれる。オークションを手掛けるサザビーズが報道向け発表で明らかにした。それぞれのユニホームの予想落札価格は1000万ドル前後になるという。

1985年前後のNBAの試合中、ドリブルしながらディフェンスと対峙するマイケル・ジョーダン/Focus On Sport/Getty Images
「マイケル・ジョーダンとコービー・ブライアントがNBAのキャリアで初めて身に着けたユニホームは、ただの記念品ではない。野心やスキル、意志の力を示す不朽のシンボルであり、それらこそが彼らの伝説的なキャリアを決定づけた」。サザビーズで現代収集品を統括するブラーム・ワフター氏は、CNNの取材に電子メールでそう答えた。
マイケル・ジョーダンが試合で着用し、本人のサインも入ったユニホームは1980年代のもの。市場でもめったに見つからない「幻のアイテム」だという。
ワフター氏によると、ユニホームは現物と高解像度の画像や映像との比較を通じてマーキングなどの特徴を検証。本物であることが確認されている。

ジョーダンがNBA最初のプレシーズンマッチで着用したシカゴ・ブルズのユニホーム/Sotheby’s
ジョーダンは84年10月5日、イリノイ州ピオリアでシカゴ・ブルズの選手として初めてのプレシーズンマッチに出場。ユニホームはこの時着用したものだ。
ユニホームをよく見ると、ジョーダンの名前と背番号23の下には、うっすらと黒っぽい文字が浮かんでいる。サザビーズによれば、これはジョーダンより前にこのユニホームを着ていた選手の名前、背番号の名残である公算が大きい。使い回しのユニホームを着た駆け出しの時代と、世界のアイコンになる後年との違いが際立つとサザビーズは言い添えた。
コービー・ブライアントがロサンゼルス・レイカーズのデビュー時に着ていたユニホームも、同様に希少なものだ。背番号8のユニホームは、ブライアントがNBA選手として初めてメディアに登場した際やプレシーズンデビューを飾った96年10月の画像と照合して本物と確認している。レギュラーシーズンのデビューはこの翌月だった。

1996~7年、ロサンゼルス・レイカーズのデビューシーズンにブライアントが着用したユニホーム/Sotheby’s
サザビーズによれば、ブライアントはそこからのキャリアで5度のNBA制覇を成し遂げ、ファイナルでの最優秀選手(MVP)賞を2度獲得した。
現役引退後の2020年、ブライアントはヘリコプターの墜落事故で亡くなった。41歳だった。

1996年11月10日、アトランタ・ホークス戦でシュートを狙うブライアント/Andrew D. Bernstein/NBAE/Getty Images
両選手のユニホームが競売にかけられるのは今回が初めてではない。23年、MVPを獲得した07~08年シーズンのブライアントのサイン入りユニホームは580万ドルで落札された。
ジョーダンが1998年のNBAファイナルで着用したユニホームは、2022年9月に1010万ドルで落札されている。サザビーズによるとこの2着は、バスケットのユニホームに付いた落札価格の歴代1位と2位をそれぞれ占める。
今回出品されるルーキー時代のユニホームは、今月21日からニューヨークのサザビーズで一般公開される予定。
◇
原文タイトル: Michael Jordan’s and Kobe Bryant’s first-ever NBA jerseys expected to sell for $10 million apiece(抄訳)