ロシア民間軍事会社の元指揮官、ノルウェーに入国 亡命を希望
(CNN) ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の元指揮官が北極圏の国境を越えてノルウェーに入り、亡命を希望している。ノルウェー警察やロシア人活動家が明らかにした。
アンドレイ・メドベージェフ氏は国外への亡命希望者を支援するロシア人活動家とのインタビューで、ワグネルとの契約更新を断った後に生命の危険を感じたと語った。
メドベージェフ氏は、ワグネルの離反者とされカメラの前でハンマーで殺されたエルゲニー・ヌジン氏と同じ方法で処刑されると危惧している。
「我々は大砲の餌食のように戦いに投げ込まれた」とも語った。会話の様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿された。
ノルウェー警察の安全保障部門の広報担当者は16日、メドベージェフ氏がノルウェーに入国し亡命を希望していることを確認した。現在は地元警察による捜査の段階だが、同部門も動きを追っているという。
メドベージェフ氏によると、同氏はロシアの町ニケルに近い国境からノルウェーに入った。フィンマルク県警察は同氏の氏名は明かさずに、13日午前1時58分に国境のノルウェー側にあるパスビクで男性1人を拘束したと発表した。
メドベージェフ氏は国境を越えて最初に見つけた家に近づいた。「そこまでたどりつけたのは奇跡だった」とも語った。
活動家のウラジーミル・オセチキン氏によると、メドベージェフ氏はこれまで2度フィンランドに入国しようとしたが失敗した。
ワグネル創設者で同社トップのエフゲニー・プリゴジン氏は16日、メドベージェフ氏が同社に属していたことを認めた上で、「囚人を虐待しようとした件で訴追されるべきだった」と語った。
メドベージェフ氏は昨年12月にオセチキン氏と交わした会話の中で、ウクライナでの犯罪への関与を否定した。7月6日にワグネルと契約して分隊の指揮官に任命されたと明かし、「囚人が到着し始めたとき、ワグネル内の状況が本当に変わった。彼らは我々を人間のように扱うのをやめた」と主張。囚人らは「戦闘の拒否や裏切りを理由に射殺された」と語った。
さらに「自分の命の危険を感じる」「いかなる犯罪にもかかわらなかった。エフゲニー・プリゴジンの戦略に加わるのを拒否してきた」とも述べた。
オセチキン氏によれば、同氏は11月末に友人を介した接触を受け、メドベージェフ氏への支援を開始した。