コレラの死者1000人超す、マラウイで過去最悪の流行
(CNN) 東アフリカ・マラウイの保健省は、2022年3月から始まったコレラの流行による死者が1000人を超えたと発表した。
保健省の25日の発表によると、今回の流行で報告された症例数は3万1241例に増え、死者は1023人となった。
保健相は26日の記者会見で、過去1カ月の間にコレラの死者が倍増したと述べ、「4週間で2倍になった」と語った。
マラウイ政府の統計によると、12月26日の時点でコレラによる死者の累計は486人だった。
保健相によると、死者は男性が約66%を占めているが、学齢期の子ども約11人もコレラのために死亡した。
保健相は、過去20年で最悪のコレラ流行と位置付け、「前回、最悪のコレラ流行が起きたのは2002年だった」と指摘した。
同国で最大規模のコレラ流行が起きた01~02年にかけては900人以上が死亡した。しかし今回の流行による死者は、この時を上回る。
保健省によると、コレラに感染した患者は現在、1126人が入院中。影響は同国の29保健区全てに及んでいる。
葬儀にまつわる習慣も、コレラの流行が長引く一因になっているという。「例えばコレラで死亡した人の遺体を家族が洗い、その後葬儀の食事を準備する。一般的に、こうした食事の後にコレラの感染が拡大する」と保健省は指摘する。
コレラは長年、減少傾向が続いていたが、22年は世界中でコレラの流行が発生。国連は「憂慮すべき急増」と位置付けていた。
安全な飲み水が不足している地域や不衛生な環境で暮らす人は、汚染された食事や水の摂取を通じてコレラに感染しやすい。