シリア、欧米に経済制裁の解除要請
(CNN) 6日に発生した地震の被害を受け、シリア政府は米国と欧州連合(EU)に対して経済制裁を解除するよう求めた。
シリア政府が実効支配する地域で活動する救援グループは、がれきの撤去や負傷者の治療に必要な重機や医療用機器の不足は、西側諸国による制裁のためだとしている。
シリアに対する経済制裁は、内戦に終止符を打つための政治的プロセスに向かうようシリア政府に圧力をかけるために実施された。
シリアの国営シリア・アラブ通信(SANA)によれば、地震による犠牲者の多くはシリア北西部のアレッポやハマ、ラタキア、タルトスなどの都市で報告されている。
こうした地域は内戦の間に行われた継続した爆撃によって主要なインフラが激しく損傷しており、再建の取り組みもすでに難しくなっている。国連の試算によれば、2011年以降、内戦により30万人が死亡している。
国連児童基金(ユニセフ)によれば、シリア北西部の460万人の半数が内戦によって家を追われ、現在は170万人がテントや難民キャンプで生活している。
イドリブなど北西部の一部地域は反体制派の支配地域となっている。
シリア外相は8日、レバノンのメディアの取材に答え、欧州に対して、支援を送るよう求めた。制裁を「言い訳」にすべきでないとした。
外相は、反体制派が支配する地域への支援を認めるかどうかという質問に対して、国際的な支援はシリア政府を通じてのみ配布されるとの見通しを示した。
米国務省の報道官は、「シリアでは、現地で人道支援を行っているNGOをパートナーとしている」と述べた。こうしたNGOは、シリア政府のように人々を残忍に扱うのではなく助けるために存在しているとした。