シリア被災地、国際社会からの支援が困難に さまざまな勢力が個別支配で
(CNN) トルコのエルドアン大統領は7日、トルコ南部での地震の発生後、70カ国と14の国際機関から支援を受け取っていると明らかにした。米国や英国、アラブ首長国連邦(UAE)、イスラエル、ロシアなどがトルコに対する支援を行っている。
シリアについては、国際社会からの支援の状況は、より不透明な状況だ。
シリアは異なった性質の集団によって支配されている。地震によって最も大きな被害が出た地域の一部はアサド政権が支配している。そのほか、トルコや米国が支援する反体制派のクルド民族主義勢力や、イスラム教スンニ派の武装組織が実効支配している地域もある。
アサド政権は、2011年に始まった反乱に対する激しい弾圧によって国際的に孤立し、厳しい制裁を受けている。アサド政権はイランとロシアと最も近しい関係にあるが、両国とも国際社会からは、のけ者扱いされている。
アサド政権は、支配地域以外への援助も含めて、全てを首都ダマスカスに送るよう求めている。
国連によれば、活動家らは、アサド政権が反体制派が支配する地域の数千人の被災者に対する時宜にかなった支援を阻害する可能性を恐れている。そうした被災者の多くは女性や子どもだ。
これまでのところ、UAEをはじめ、イラク、イラン、リビア、エジプト、アルジェリア、インドが支援物資をアサド政権が支配下に置く空港に直接届けている。アフガニスタンやサウジアラビア、カタール、オマーン、中国、カナダ、バチカンも支援を約束しているものの、物資を政府側に直接届けるかどうかはわかっていない。