WHO、トルコとシリアに医療チーム派遣 「時間との戦い」
(CNN) 世界保健機関(WHO)は6日にトルコ南部で発生した地震により壊滅的な被害が出ている同国と隣国シリアに、医療チームと航空機3機分の医療品を送る。
また、対応を調整するための「高官の代表団」が現地に向かっているという。
WHOのテドロス事務局長によると、緊急対応支援で300万ドル(約4億円)を拠出し、「関係機関と専門的な医療の提供に取り組んでいる」という。
テドロス氏は8日、「厳しい天候と余震が続く中、救命は時間との戦いだ。人々は避難所、食料、衛生的な水、地震で負ったけがの治療を求めており、他の医療ニーズもある」と記者会見で述べた。
医療品を積み込んだ航空機1機はすでにトルコ・イスタンブールに向かっており、シリアの首都ダマスカスに向かう別の航空機も出発準備中だ。テドロス氏によると、ダマスカスに飛ぶ3機目も計画されている。
WHOのシリア代表、イマン・シャンキティ氏によると、死者数と負傷者数は時間を追うごとに増えている。
シャンキティ氏は地震のためにアクセスできなくなった病院もあるなど、シリアの医療体制は悲惨な状況にあると指摘。「医療体制は過去12年ひどい状態が続いており、現在も続く不穏な情勢でひっ迫していたところに今回の地震だ」と説明した。
一方、WHOのトルコ代表、バティル・ベルディクライチェフ氏は、おびただしい数の余震により「捜索・救助活動が非常に難航している」と述べた。
「現在直面している難題は今も続く余震、夜間には気温が氷点下まで下がる厳しい天候、そして被災地へのアクセスを妨げている道路の損壊だ」などと説明した。