ミャンマー西部、サイクロンで大きな被害 難民キャンプ直撃の懸念
(CNN) インド洋のベンガル湾で発達したサイクロン「モカ」が14日、沿岸部に上陸し、ミャンマー西部が強風と豪雨に見舞われている。
現地からの映像には、55.5メートルを超す暴風で建物の屋根が吹き飛ばされたり電柱が倒壊したりする様子が映っている。現地メディアは、樹木が根こそぎ倒れ、通信塔も破壊されていると伝えた。
サイクロンはミャンマー内陸のほぼ全域を覆い、勢力は急速に弱まっているものの、強風や大雨が続いている。現地時間の15日夜~16日朝にかけ、ミャンマー北部で消滅する見通し。
国連によると、ミャンマー西部ラカイン州の州都シットウェの住民は、ほとんどが周辺の村や市内の修道院に避難した。
戦闘を逃れてミャンマーから避難したロヒンギャなどイスラム系少数民族への影響は特に懸念されている。隣国バングラデシュのコックスバザール郊外にある難民キャンプでは、ロヒンギャなど100万人あまりが暮らしている。
バングラデシュ気象庁によると、モカはラカイン州を北北東に移動して、コックスバザールを直撃する見通し。
バングラデシュとミャンマーの支援団体は、暴風雨による洪水や土砂災害に備えて大規模な緊急対策を講じていることを明らかにした。
コックスバザール難民キャンプのロヒンギャ約100万人は、ほとんどが丘陵地の斜面に設置された竹や防水シートのテントで暮らしており、強風や雨、土砂崩れの被害に遭いやすい。
バサンチャールと呼ばれるベンガル湾の孤島で暮らすロヒンギャ3万人の状況も懸念される。
国連難民高等弁務官事務所によれば、ボランティアや医療チームが待機して、同島の住民のために避難所や食料を準備している。