ヒトラーの生家が人権研修センターに オーストリア
(CNN) オーストリア内務省は24日、同国にあるアドルフ・ヒトラーの生家を警察官向けの人権研修センターに作り変えると明らかにした。
同国北西部のブラウナウ・アム・インに立つこの建物を巡っては、2019年に政府が警察署とすることを発表していた。人権研修センターは警察署と共に建物に設置される見通し。
今回の決定は、学際的な専門家委員会の提言を基に下された。念頭にあるのは「過激主義者にとっての神話的な魅力」を建物から取り除くことだという。内務省が声明で明らかにした。
歴史学者でウィーン大学現代史研究所に在籍するオリバー・ラートコルプ教授は、23日の記者会見で「我々は自分たちの過去と向き合い、この歴史的な重荷を背負った場所に人生を肯定する視点を与えなくてはならない」と述べた。
アドルフ・ヒトラー(中央)=1939年/AFP/Getty Images
ナチス・ドイツを率いたヒトラーは、当該の建物で1889年4月20日に生まれ、3歳まで家族と共に住んだ。
建物を警察署にする計画は、2019年11月に発表されていた。
改修にかかる費用は推計で2000万ユーロ(約30億円)。25年に完了すると見込まれている。実際に警察が移転してくるのは翌年となる。