計千人乗船のボート2隻が地中海で遭難、救助要請に周辺国の反応なし 支援団体
(CNN) 難民や移民計約1000人を乗せたボート2隻が地中海で動けなくなっている。支援団体によれば、イタリアもマルタも救援要請に対して反応がないという。
非政府組織(NGO)のアラームフォンは、遭難した移民船からの通報を受け、当局や救助船の運航業者に連絡を取っている。同団体によると、地中海で遭難した2隻はそれぞれ約500人を乗せてリビアを出航し、数日後にエンジンが停止した。
同団体はイタリアとマルタの当局に乗船者の窮状を知らせ、緊急に救助が必要だと告げたという。
CNNは24日、イタリアとマルタの海運当局に何度も情報を求めたが、返答はなかった。
2隻については複数の人道団体が追跡を続けている。
国境なき医師団は24日、「ボートのうち1隻では状況が悪化しているようだ。ボートの浸水や女性の出産が報告されている」とツイートした。
救助船を運航しているNGOは、イタリアにもマルタにも連絡が取れないまま、現場に向かっていることを明らかにした。救助船が現場に到着した時には既に手遅れになっているかもしれないとしている。
この地域では毎年何万人もの難民や移民が戦争や迫害、貧困を逃れ、危険を冒して欧州を目指す。航海に適さない小舟は遭難することもあり、欧州諸国間の対立を引き起こしている。
イタリアに漂着する移民の数は増えており、今年は5月24日までに4万6656人がボートでたどり着いた。前年同期に漂着したのは1万7972人だった。