プリゴジン氏がメッセージ公開、反乱は「抗議」と主張
(CNN) ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏は26日、音声メッセージを公開し、停止された反乱について、あくまでも抗議であり本格的な政権転覆の試みではなかったと述べた。
プリゴジン氏は蜂起を停止する取り決めの中で、ロシアを去りベラルーシへ向かうことで合意したとされる。この後、同氏の発言は伝えられていなかったが、今回の音声メッセージで沈黙を破った形だ。
音声メッセージの中でプリゴジン氏は進軍の目的について、ワグネルの破壊を阻止するためだったと説明。また非職業的な行動を通じ「特別軍事作戦」で膨大な数の失敗を犯した人々を裁きにかける意図があったとも明かした。ロシアによるウクライナ侵攻に言及して述べた。
プリゴジン氏が現在どこにいるのか、今後ロシアによるウクライナとの戦争がどうなるのかといった疑問は依然として残る。ワグネルは当該の戦争で重要な役割を果たしている。
プリゴジン氏はまた、ロシア国防省が7月1日以降ワグネルを「この世から消す」計画を立てていたと主張。自ら率いる組織の行動を改めて擁護した。
「一晩で我々は780キロ進軍し、モスクワまで200キロ余りに迫った」と、同氏は音声メッセージで述べたものの、ワグネルの部隊がそこまでモスクワに近づいていたことを示す証拠はない。
進軍の過程で「地上の兵士は1人も殺害されなかった」とプリゴジン氏は説明。航空機を撃墜せざるを得なかったのは悔やまれるが、爆弾を投下されるなどしたためやむを得ない対応だったと付け加えた。
ワグネルの法的処遇の問題に関しては、ベラルーシのルカシェンコ大統領が解決に向けて「手を差し伸べた」という。
プリゴジン氏はロシアの複数の町の住民について、誰もがワグネルに対して好意的だったと示唆。現在も支援の声が多く寄せられ、「正義の行軍」が停止されたことへの落胆を伝えてくると明らかにした。
当時の動画にはロシア・ロストフ州ロストフナドヌーの住民らがワグネルの戦闘員らと言葉を交わしたり、一緒に写真を撮ったりする様子が映っているが、こうした楽しげな雰囲気は、ルカシェンコ氏の仲介によるとみられる取り決めが発表された後のものだ。
プリゴジン氏が今後ワグネルの中でどのような役割を果たすことになるのかは、依然として不明。