スペイン総選挙、過半数獲得の政党なし 連立協議は不透明
(CNN) 23日投開票のスペイン総選挙(定数350)はいずれの党も過半数の議席を獲得できず、連立政権の樹立に向けた協議の行方は不透明な情勢となっている。
開票率99%の時点で、中道右派の野党・国民党が136議席を獲得し、第1党の座を確実にしている。同党と連立を組むことが予想される右翼政党のVOX(ボックス)は、33議席を獲得する見通し。
一方、サンチェス首相が率いる中道左派の与党・社会労働党は122議席、現在の連立相手である急進左派連合スマールは31議席を確保するとみられる。
国民党のフェイホー党首は党本部での演説で、同党の得票率が21%から33%まで上がったことを指摘し、「大変誇らしい」と述べた。一方で、同党の支持者からは圧勝を期待していたとの声も上がった。
社会労働党の本部前では、敗北を覚悟していた支持者らが明るい表情で「予想を上回る票が入った」と話した。
5月の統一地方選挙では、社会労働党が大敗。欧州全体が右傾化するなか、国民党が大きく躍進した。サンチェス氏はこれを受けて議会解散、前倒し総選挙という賭けに出ていた。
総選挙では、国民党が第1党となるものの絶対過半数の176議席には到達せず、女性や性的少数者の権利拡大に反対するVOXと組んで右派連立政権を樹立する流れが予想されていた。その場合は数十年ぶりに右翼政党が政権入りすることになるとして注目されてきたが、VOXは現有52から大きく議席を減らす結果となり、両党合わせても過半数には届かないことが確実となった。
一方で社会労働党を支持する複数の地方政党も議席を獲得している。各党間の交渉が難航し、新政権発足の見通しが立つまでには数週間かかると予想されている。