ナゴルノ・カラバフのアルメニア系住民が集団脱出、既に数千人が避難
カラバフ当局者はロイター通信に対し、アルメニア系住民の大多数はアゼルバイジャンで暮らすことを望まず、アルメニアへ避難すると予想。「99.9%は我々の歴史的な土地を離れることを望む」と語った。アゼルバイジャンは同地の住民の権利を保障すると強調しているが、アルメニア首相や各国の専門家は、ナゴルノ・カラバフのアルメニア系住民の民族浄化のリスクを繰り返し指摘している。
CNNの取材に応じた住民のポゴシアンさんは、自分が知る限り、ナゴルノ・カラバフに残る家族は1世帯もないと話し、「99.9%というのは間違い。100%だ」と語った。
アゼルバイジャンはアルメニア系住民に対して選択を迫っている。ナゴルノ・カラバフに残る住民はアゼルバイジャン国籍を受け入れる必要がある。そうでなければ脱出しなければならない。
カーネギー国際平和基金の専門家は、ナゴルノ・カラバフに残ってアゼルバイジャンによる支配を拒む住民に対し、アゼルバイジャンが武力を行使するのは確実だと予想。「もしアルメニア系住民が脱出せず、アゼルバイジャンのパスポートも受け入れなければ、自殺行為も同然だ」と指摘する。
アルメニアの通信社によると、アゼルバイジャンの軍事作戦後の捜索救助活動では、100人以上の遺体が見つかった。子ども2人と高齢の夫婦の遺体もあったと伝えられている。
SNSにはステパナケルトの住民が車に荷物を詰め込んだりガソリンを探したりする画像が投稿されている。同地はアゼルバイジャンを後ろ盾とする勢力が9カ月にわたって封鎖しており、食料や医薬品、燃料が不足していた。
ポゴシアンさんは夫と2人の子ども、両親、祖母の7人で26日に出発を予定している。もっと早く出発する予定だったが、数千人が脱出して道路が大渋滞になり、何時間も身動きできなくなっていると聞いて出発を遅らせた。