子ゾウに衝突の車、群れに踏みつけられ損傷 マレーシア
(CNN) マレーシア中部ゲリクの幹線道路上で26日夜、野生のゾウの子に衝突した車が、一緒にいたゾウの群れに踏みつけられて損傷した。地元当局が27日に発表した。
車は48歳の男性が運転し、妻と23歳の息子が同乗。北西部のペナン島から北東部トレンガヌ州に向かっていた。
警察によると、現場周辺は霧雨が降っていた。車は左カーブを曲がろうとして、群れとともに路上を歩いていた子ゾウに衝突。子ゾウは地面に倒れた。
これを見て、ほかの5頭が車に襲い掛かった。子ゾウが再び立ち上がった後、群れは歩き去ったという。
公開された現場写真では、車の前部と側面のドアなどが激しく損傷し、すべての窓が割れている。
車が襲われた時に一家が中にいたかどうかは不明だが、警察によると死者や重傷者の報告はない。子ゾウが負ったけがの詳細も発表されていない。
自然保護活動家らによるとマレーシアでは近年、急激な道路開発で森林破壊が進み、各地で生息地を失ったゾウがえさを求めて路上をさまよっている。
2017年には幹線道路の路肩で、車にはねられたとみられる子ゾウの死骸が見つかった。
20年には今回と同じ道路で、複数の車にクラクションを鳴らされてパニックを起こしたとみられるゾウが、1台を踏みつぶした。