韓国人口、1970年代の水準に戻る可能性 最悪で3千万人台に
(CNN) 世界でも最低水準の出生率に直面する韓国の統計庁は28日までに、国内の総人口は今後2年内にさらに落ち込み、1970年代時の水準に後戻りする可能性があるとの新たなデータ予測を発表した。
女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率は昨年、0.78と推定し、25年には0.65に減るとした。最悪の事態となった場合、26年には0.59になるとも予想した。
72年には1.08まで戻ると期待しながら、移民の受け入れが乏しい中で安定した人口の維持に必要な2.1にははるかに届かない状態とも指摘した。
総人口は24年の約5175万人が72年には約3622万人と、1977年当時の規模に戻ることもあり得ると述べた。最悪の場合、人口は最低で3017万人となる段階も考えられるとした。67年当時の水準となっている。
ただ、いずれの予測が的中するかどうかの問題は別にして、韓国が72年までには高度な高齢化社会と化すことは確実な情勢となっている。同年の国民年齢の中央値は22年の44.9から63.4に上昇するとした。
韓国での年間の新生児数は22年の約25万人から72年には約16万人に減少。65%激減の比率となっている。同国の出生率は2015年以降、低下しており、20年には初めて死亡者数が新生児数を上回っていた。
出生率減少の問題は東アジアの日本や中国、東南アジアのシンガポールなどでも切実な問題となっている。韓国と敵対する北朝鮮でも同じ悩みを抱え、女性に多産を促す当局の発言が明らかになっている。
国連人口基金によると、北朝鮮の合計特殊出生率は女性1人で1.8と推定している。
米国を見た場合、連邦議会予算局の報告によると今年の合計特殊出生率は1.66と見込まれ、30年までには1.75に増えると分析。移民増により人口は拡大するともみている。