ロシア、戦術核兵器の演習実施へ 西側諸国の「脅威」に対処
(CNN) ロシアのプーチン大統領は6日、西側諸国による「脅威」に対処するための軍事訓練の一環としてロシア軍に戦術核兵器配備の演習を命じた。2022年にウクライナに侵攻して以来、プーチン氏は西側諸国に対して繰り返し戦術核兵器の使用をちらつかせてきたが、今回初めて公式に演習を発表した。
ロシア国防省は「演習では非戦略核兵器の準備と使用の問題を訓練するための一連の措置が実施される」と述べた。
非戦略核兵器、つまり「戦術」核兵器は、都市全体を破壊する可能性を持つ戦略核兵器よりも威力が弱く、戦場で使用することができる。
ロシア国防省によれば、今回の訓練はロシアに対する西側当局者の「挑発的な発言と脅し」を受けたもので、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「前例のないレベル」に達していると述べた。
マクロン仏大統領は先週、ロシアが欧州の安全保障やロシアと国境を接する国々にもたらすリスクについて警告し、西側諸国がウクライナへ軍を派遣する可能性を排除しないことを改めて強調した。
ウクライナを先週訪問したキャメロン英外相は、ウクライナは英国が供給する武器を使ってロシア国内の標的を攻撃することができると述べた。
今回の演習の発表の直前となる先月には、米国が長く延期されていたウクライナへの支援策を可決した。
ロシア軍は先月、ウクライナ東部の前線の少なくとも3カ所でさらに進軍を続けている。ロシアは米国の援助がウクライナに到着する前に兵力と弾薬の優位性を利用しようとしている。
ロシアはウクライナ侵攻が困難に陥ったときや他国がウクライナへの支援を新たに約束したときに核の脅威を持ち出す傾向がある。ウクライナが22年後半に領土の広範囲を解放すると、プーチン氏は戦争に「しばらく時間がかかる」ことを認め、核戦争の脅威が「高まっている」と警告した。