ルカシェンコ大統領がプーチン氏と矛盾する発言、モスクワ襲撃犯は「ベラルーシを目指した」
(CNN) ロシアの同盟国ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は26日、モスクワ郊外のコンサート会場襲撃事件をめぐり、ロシア側の主張に疑問を投げかけるような発言を行った。
139人の犠牲者を出した今回の事件については、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)が犯行声明を出している。しかしロシアのウラジーミル・プーチン大統領は事件翌日の23日、襲撃犯がウクライナへ逃れるための「窓口」が用意されていたと発言し、根拠を示さないままウクライナが事件に関与したと主張していた。
ベラルーシの通信社ベルタによると、ルカシェンコ大統領は26日、襲撃犯は当初、ウクライナではなくベラルーシに入るつもりだったとの見方を示し、「彼らはベラルーシに入れなかった。ベラルーシが直ちに治安対策を強化したことから、ベラルーシに入国を試みるのは非常に悪い考えだと認識した」と述べた。
さらに、コンサート会場襲撃が始まった「数分後」にロシア当局から連絡が入り、ベラルーシの部隊が戦闘態勢に入って襲撃犯の入国を阻止するため道路に検問所を設けたと説明。「つまり彼らがベラルーシに入国するチャンスはなかった。彼らはそれを知って引き返し、ウクライナとロシアの国境へ向かった」としている。
中央アジアのタジキスタン共和国出身の容疑者4人は事件当日の22日夜、ウクライナとベラルーシの国境に近いロシアのブリャンスクで逮捕された。