親ロ派のハンガリー首相、ウクライナ大統領と会談 停戦の検討促す
(CNN) 親ロシア派として知られるハンガリーのオルバン首相は2日、訪問先のウクライナで、ゼレンスキー大統領と会談し、ロシア政府との和平協議を加速させるために「停戦」を検討するよう促した。オルバン氏がウクライナを訪問したのは、ロシアによるウクライナへの全面侵攻が2022年に始まって以降で初めて。
オルバン氏はゼレンスキー氏とともに会見に臨み、ゼレンスキー氏に対して、まず停戦を実現することで、順番を逆転させて、和平交渉を加速させることができないか考えるよう要請したことを明らかにした。
オルバン氏は「期限付きの停戦は和平交渉を加速させる機会となる」と説明。ゼレンスキー氏に対して停戦について検討するよう求めたとし、ゼレンスキー氏からの誠実な回答と交渉に謝意を示した。
ウクライナ大統領府によれば、ゼレンスキー氏はオルバン氏の考えを拒否した。
ハンガリー政府の報道官は、両首脳の会談は「和平成立の可能性や、ハンガリーとウクライナの二国間関係における問題」に重点を置くと述べた/Zoltan Fischer/MTI/AP
大統領府の幹部は全国放送のテレビ番組で、オルバン氏はウクライナ訪問時に自身の考えを明らかにする機会があったとした上で、この問題に対するゼレンスキー氏の立場は「明確で、理解され、知られている」と述べた。
ゼレンスキー氏はこれまでも、マクロン仏大統領が提案したオリンピック(五輪)開催中の停戦について、不用意に現地のロシア軍を利する可能性があるとして拒否している。
同幹部は、ウクライナ政府の戦闘終結に向けた第一の手段は、ウクライナが準備を進めている2回目の「平和サミット」だと指摘した。
ハンガリーのオルバン首相=6月24日、イタリア・ローマ/Guglielmo Mangiapane/Reuters
オルバン氏はロシアのプーチン大統領に近しい人物で、欧州によるウクライナ支援について批判の声をあげている。オルバン氏はロシアによるウクライナ侵攻以降、ウクライナへの軍事支援ではなく、停戦によって戦争を終結させるという考えを繰り返し表明している。