スウェーデン、NATO加盟へ最後のハードル突破 ハンガリーが加盟申請承認
(CNN) ハンガリーの議会は26日、スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟申請を圧倒的多数で承認した。2年近くの交渉を経て加盟に道が開けた形で、ロシアのプーチン大統領にとっては地政学上の打撃となる。
ハンガリー議会からの承認は、スウェーデンのNATO加盟に向けた最後のハードルだった。スウェーデンのクリステション首相は23日にハンガリー首都ブダペストを訪れ、ハンガリーのオルバン首相と防衛及び安全保障での協力を話し合っていた。両者はハンガリーがスウェーデン製戦闘機「グリペン」4機を新たに獲得する取り決めで合意。歩み寄りに至ったとみられる。
採決に参加したハンガリー議会の議員194人中、スウェーデンの加盟に反対したのは6人のみだった。
クリステション首相は採決直後、ソーシャルメディアのXに「今日は歴史的な日だ」「スウェーデンは欧州・大西洋の安全保障に責任を負う用意がある」と書き込んだ。
正式な加盟に先駆け、スウェーデンは批准文書を米国に提出する予定。NATOのストルテンベルグ事務総長は、全加盟国の承認が得られたとしてスウェーデンの今後の加盟を確認した。
その上で「スウェーデンの加盟は、全加盟国をより強く、安全にするだろう」と述べた。
スウェーデンの加盟を受け、NATO加盟国は32カ国となる見通し。ウクライナに侵攻したロシアの意向に反して、加盟国が増える形となる。
ロシアと1300キロ余り国境を接するフィンランドは昨年、31番目の加盟国となっていた。