シアン化物を使った連続殺人、女に死刑判決 タイ裁判所

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警官に護衛されるサララット・ランシウッタポーン被告=2023年4月26日、タイ・バンコクの警察署/Daily News/Handout/Reuters/File

警官に護衛されるサララット・ランシウッタポーン被告=2023年4月26日、タイ・バンコクの警察署/Daily News/Handout/Reuters/File

バンコク(CNN) タイの裁判所は、十数人を毒殺した罪に問われた女に死刑を言い渡した。これは、国を揺るがした連続殺人事件に対する初めての判断だ。

バンコクの裁判所が20日に下した判決要旨によると、サララット・ランシウッタポーン被告は昨年、友人の食べ物にシアン化物を混入して殺害し、4400ドル(約68万円)相当以上の所有物を盗んだ。

国営放送の報道によると、被告はギャンブル依存による借金返済のために殺人や強盗に手を染めた。

被告と過去に警察の上級職を務めた元夫とのつながりに加え、昨年5月にシリポーン・カンウォンさんの不審死に関連して逮捕された際に被告が妊娠していたことで国民の注目は高まった。この事件は、他の一連の未解決シアン化物毒殺事件の徹底捜査のきっかけとなった。

カンウォンさんの検死が行われたところ、体内にシアン化物の痕跡が見つかった。警察は昨年CNNに、この痕跡は死亡前に被告と飲食を共にした被害者に共通する要因であることが後に明らかになったと語った。

被告の逮捕後、1人の女性が2020年に被告に毒を盛られたと告発した。女性は病院で蘇生したが、被告の元夫が警察の上級職であったことから声を上げるのが怖かったと述べた。

被告は裁判で証言しなかった。裁判所は、計画殺人、強盗致死、食品などへの薬物混入による死亡などの罪で被告を有罪とした。死刑判決に加え、未回収の盗難品に対する賠償金の支払いも命じられた。

被告の弁護士と元夫も20日に禁錮の判決を受けた。

判決要旨によると、カンウォンさんの殺害後、弁護士は、元夫に被告と殺害を結びつける証拠を破棄または隠蔽(いんぺい)するよう求めたという。

弁護士によると、被告は容疑を否認しており、控訴する予定。

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