米、ロシアがウクライナ軍に化学兵器使用と断定 禁止条約違反

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ハルキウ近郊で放射線、化学的、生物学的危害を想定した演習を行うウクライナ軍の兵士/Sofiia Gatilova/Reuters

ハルキウ近郊で放射線、化学的、生物学的危害を想定した演習を行うウクライナ軍の兵士/Sofiia Gatilova/Reuters

(CNN) 米国は1日、ロシアがウクライナに対し「戦争の手段」として化学兵器を使用したと正式に非難し、ロシアの企業や政府機関に包括的な新たな制裁を科した。

米国は同日の声明で、「ロシアが化学兵器禁止条約(CWC)に違反して化学兵器クロロピクリンを使用したと断定した」と表明した。

そのうえで、ロシアがCWCに違反して「暴徒鎮圧剤」、すなわち催涙ガスを使用したと付け加えた。

「こうした化学物質の使用は単発的な出来事ではなく、ウクライナ軍を強固な陣地から排除して、戦場で戦術的な前進を遂げたいというロシア軍の願望がおそらく主因になっている」とも指摘した。

米国のこの結論はウクライナ軍の証言とも一致する。ウクライナ軍はここ数カ月、前線でガスなどの刺激性物質に遭遇するケースが増えているという。

ウクライナ軍は3月にSNSに投稿した声明で、ロシアが「戦争で禁止されている有毒化学物質を搭載した催涙ガス兵器」を使用した例を1000回あまり確認したと説明。その数は2月だけで250回に上ったと明らかにしていた。

ロシアはこれまで化学兵器の使用を否定している。

ロシア国営タス通信の1月の報道によると、在オランダのロシア大使館はX(旧ツイッター)の公式ページで「国際調査団によって確認されたように、ロシア軍の備蓄に化学兵器は存在しない」とつづった。

クロロピクリンは第1次世界大戦中、化学兵器として広く使用されたが、現在は軍用には認められておらず、米疾病対策センター(CDC)によると、主に農業で使用されている。肺や目、肌を刺激し、数週間続く吐き気や嘔吐(おうと)、下痢を引き起こす場合があるという。

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