火星への片道旅行、参加希望者募る オランダ民間団体
片道旅行になったのは、その方がコストが大幅に削減できるという理由に加えて、地球に戻って来るための技術が存在しないという理由による。ランスドープ氏は米ニューヨークで記者会見し、「人類を火星に着陸させるための新しい発明は不要だ」と強調した。
同氏によると、最大の障壁は資金で、同社はマスコミの報道を通じてスポンサーを集めたい意向。コロニー建設などの予算は約60億ドル(約6000億円)を見込んでいるが、計画実行までに十分な資金が集まるかどうかは不明。また、火星の過酷な環境で生き延びるための生命維持システムを出発までに開発できるのかという疑問もある。
乗員の到着を前に、同社は早ければ2016年10月にも火星に補給機を送り込み、続いて18年には「移住探査機」を着陸させる計画。乗員の輸送に使う着陸システムは、本番前に8回の実験を予定しており、ランスドープ氏によれば「月のミッションよりずっと安全」だという。
火星までの飛行については、国際宇宙ステーションに物資を輸送した実績のある民間企業スペースXと交渉中だという。同社の宇宙船「ドラゴン」の技術を使って飛行し、火星に着陸することを検討している。