氷水ではなくコメ――インドで広がる「ライス・バケツ・チャレンジ」
ニューデリー(CNN) 難病の筋委縮性側索硬化症(ALS)の患者支援と認知度向上のため、ソーシャル・メディア上で指名された人が「寄付をするか氷水をかぶるか」を選ぶ難病支援キャンペーン「アイス・バケツ・チャレンジ」が世界的な注目を集めるなか、インドでは貧しい人々に米を寄付する「ライス・バケツ・チャレンジ」という運動が急速に広がっている。
この運動を考案したのは、米の研究を専門とするインド人ジャーナリスト、マンジュ・ラサ・カラニディ氏。「アイス・バケツ・チャレンジで水を無駄遣いする代わりに、もっとインドに合ったことはできないかと考えた。米は私たちの主食だし、何カ月間か保存することもできる」と話す。
貧しい人にバケツ1杯分の米を寄付し、ネット上で写真を公開して友人に同じことをするよう促すという運動だ。
アイス・バケツ・チャレンジには多数の有名人が参加し、これまでに7000万ドル(約70億円)もの寄付が集まった。インドでも芸能界のスターらが呼び掛けに応じているが、最近はライス・バケツ・チャレンジが優勢になってきたようだ。
カラニディ氏の運動はテレビのニュースで取り上げられ、ツイッターやフェイスブックでも評判になっている。スウェーデンや英国など、国外からも称賛のメッセージが届いたという。
運動の広がりは、インドでソーシャルメディアの影響力がいかに大きいかを示している。米市場調査会社イーマーケターによると、同国ではネット利用者が2016年には約2億人と、11年の3倍近くまで増える見通し。その多くを若いスマートフォン・ユーザーが占め、ソーシャルメディアの利用はますます盛んになるとみられる。