新型コロナワクチン、217回接種した結果は? ドイツ人男性を調査
(CNN) ドイツで新型コロナウイルスのワクチンを29カ月の間に217回接種したという62歳の男性に関する調査結果が、このほど医学誌に発表された。
男性はガイドラインに反し、平均すると4日に1回の頻度で意図的にワクチンを接種していた。同じ病原体に対するワクチン接種を繰り返すと免疫系に何が起きるかを探る、いわば人体実験だった。
ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学の研究チームはこの男性の血液や唾液(だえき)の検査を行って免疫の状態などを調べ、4日の医学誌ランセットに発表した。「超過剰ワクチン接種」による健康への悪影響はなかったものの、目に見えた免疫力の増進も悪化も見られなかったと結論付けている。
男性はドイツのマクデブルク在住で、2021年6月~23年11月にかけて新型コロナのワクチンを217回接種。このうち134回は検察の捜査やワクチン接種会場の記録で確認され、残る83回は自己申告だった。
男性はワクチン接種による副反応は申告しておらず、新型コロナの感染歴がないことは、22年5月~23年11月の間に何度も受けた抗原検査やPCR検査で裏付けられた。
研究チームによると、男性がコロナに感染していないことと、超過剰ワクチン接種との直接的な因果関係ははっきりしない。
別の専門家は「最初の3回で十分予防できていたために感染しなかったのかもしれない」と推測する。
免疫力アップを目的とした超過剰ワクチン接種は推奨しないと研究者は強調し、「3回打っても200回打ってもそれほど大きな効果はない」としている。