コロナ禍のリモートワーカー、「懸命には働かなかった」 ブラックストーンCEO

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ブラックストーンのシュワルツマンCEOがコロナ禍での在宅勤務について言及した/Himanshu Bhatt/NurPhoto/Getty Images

ブラックストーンのシュワルツマンCEOがコロナ禍での在宅勤務について言及した/Himanshu Bhatt/NurPhoto/Getty Images

ニューヨーク(CNN) 米投資会社ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の間、オフィスワーカーたちがそこまで懸命に働いたとは思っていない。

320億ドル(約4兆8000億円)の資産を保有すると推定されるシュワルツマン氏は、このほどサウジアラビアで開催されたカンファレンスで、投資家の群集に向かって次のように述べた。パンデミックの間、リモートで働いていた人々は「懸命に働いてはいなかった。彼らがどう言っていたかにかかわらず」

もちろん、多くの米国人はあのときほど懸命に働いたことはなかったと反論するだろう。

親たちはほぼひっきりなしのリモート会議や、社内のスラックで流れてくる用件をこなすと同時に、学校が閉鎖中で家にいる子どもたちの面倒を見なくてはならなかった。保育園が閉園になり、乳児の世話をしながら働かなくてはならなかった人や、感染リスクの高い高齢者の介護をしながら勤務に就いていた人もいる。

その結果、一部の親たちは遅くまでの残業や早朝からの勤務、週末への作業の持ち越しを強いられた。

コモンウェルス財団が2020年8月に公表した報告によると、米国の成人の3分の1は、コロナ禍でストレスや不安、一人では対処が難しい深い悲しみを経験している。これは他の国と比較して著しく高い割合となっている。

シュワルツマン氏は24日、商業不動産市場への影響という文脈の中でリモートワークについて語った。ブラックストーンは主要な不動産投資会社として、この分野でリスクを被る度合いが大きい。

「パンデミックの間、人々は家にいることに慣れた。実のところ、家にいる方が彼らにとって得になった。理由の一つ目は懸命に働くことがなくなった。彼らがどう言っていたかにかかわらず。理由の二つ目は通勤に金を使わなくてよくなった。昼食も家で作れるし、高い服を買わなくてもいい。従って彼らの所得は増える」(シュワルツマン氏)

シュワルツマン氏と同じパネルディスカッションに参加していた米銀大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、現在自社の社員の6割が週5日出勤していると述べた。3割には週3日の出勤を義務づけているという。

管理職に対しては勤務時間中常にオフィスにいることを求めていると、ダイモン氏は付け加えた。

パートナーシップ・フォー・ニューヨーク・シティーの調査によれば、マンハッタンのオフィスワーカーのうち、8月下旬と9月の通常の平日を自分たちの職場で過ごしたのは約58%だった。昨年9月の49%から上昇したものの、コロナ禍以前の80%と比べると低い水準にある。

職場でフルタイムで勤務するオフィスワーカーは全体のわずか12%だった。

シュワルツマン氏の推計によると、米国のオフィスビルの20%は現在空き室で、20%はリースされているものの実質的には活用されていない状態だという。現行のリース契約が終了すれば、各社はオフィススペースを削減するとみられるため、古い建物を中心に多くのオフィスビルが「経済主体として生き残れなくなる」と、同氏は予測する。

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