「ロボット犬」でも蹴っちゃダメ? 倫理めぐる議論盛んに
(CNN) 米グーグルが2013年に買収したロボットメーカーのボストン・ダイナミクスがこのほど、ロボット犬「スポット」の動画を披露した。犬のように走ったり階段を上ったりすることができ、人間に足蹴にされても4本の足でバランスを保って姿勢を立て直す。しかしこの動画をきっかけに、ロボットを蹴ることの倫理問題についての論議が盛んになっている。
ロボットの動作や外観が生き物に似れば似るほど、これが生き物ではないと思うことは難しくなる。短文投稿サイトのツイッターにはこんな投稿が相次いだ。
「ロボットは素晴らしい! でもこれが蹴られるのは可哀想に思えた。本当に犬みたいだったから。気の毒なスポット!」
「あの可哀想なロボットたちを蹴るのをやめてくれ。あいつらが何をしたっていうんだ」
「犬を蹴るのは、たとえロボット犬だったとしても、間違ったことに思える」
一方で、「グーグルが安定性を試すためにロボット犬を蹴ったことにみんなが憤慨している。ロボット犬だよ。ロボットだよ」という投稿もあった。
この論議について、人工知能とロボット工学を専門とする英シェフィールド大学のノエル・シャーキー名誉教授は、「非倫理的といえるのは、ロボットが痛みを感じる場合に限られる」と指摘する。
ただし「生き物のように見える物を虐待すれば、生き物に対しても同じ扱いをする公算が大きくなる」とも解説している。