学校長、全校生徒の前でカミングアウト ワシントン
(CNN) 米首都ワシントンにある高校の校長が、同性愛者の誇りを示すゲイプライドのイベントで生徒たちを前に、自ら同性愛を告白した。
カミングアウトしたのはウッドロウ・ウィルソン高校のピート・ケイホール校長。左手にマイクを、右手に手書きの原稿を持ち、両手を震わせながら演壇に立った。
生徒の前でのスピーチには慣れているはずの校長が緊張した様子で語り始めたのは、公の場で初めて明らかにする内容だった。「私は誇り高きゲイであり、ウィルソン高校の校長です」
生徒たちからは盛大な拍手が巻き起こった。
ゲイプライドは同校の毎年恒例のイベントで、ビンセント・グレイ市長や同性愛者であることを公言しているデービッド・カスタニア市議会議員も出席していた。
ケイホール校長は「私はこれまで生徒たちに違った目で見られることや、尊敬されなくなることを恐れ、このことを公言してこなかった」「今までは陰に隠れていたが、今日から解放された」と続けた。
告白に至った経緯についてはCNN系列局WJLAの取材に対し、「ウィルソン高校の校長としてプライドデーを見ながら、ありのままの自分でいるよう生徒たちに呼びかける立場にありながら、自分が告白しないのは偽善だと思い続けていた」と語った。
ジェイソン・コリンズ選手やマイケル・サム選手といったプロスポーツ選手のカミングアウトにも勇気付けられたといい、「自分はあと2週間で50歳になる。もう隠し続けることに疲れた」とも漏らした。
2年生の生徒は思いがけない校長の告白に、「校長先生を今までよりもっと尊敬するようになった」とコメントしている。