米軍の最新鋭艦、パナマ運河で航行不能に エンジンに不具合
ワシントン(CNN) 米海軍の最新鋭駆逐艦「USSズムウォルト」がパナマ運河を航行中、エンジン故障で航行できなくなるトラブルに見舞われたことが24日までに分かった。
海軍の幹部によると、修理にどのくらい時間がかかるかは現在調査中。第3艦隊司令官が、パナマにある米海軍の元基地に同艦をとどめて故障の原因を調査するよう指示したという。
トラブルが発生したのは21日。ズムウォルトはサンディエゴの母港を出航し、第3艦隊に加わるためにパナマ運河を航行中だった。
ズムウォルトは史上最先端の駆逐艦のはずだった。米ボルティモアで10月に開かれた進水式で米太平洋軍のハリー・ハリス司令官は、「もしバットマンが船を持つとしたらUSSズムウォルトだ」と形容した。
同艦は平坦な艦体の内側に兵器を隠し、従来の駆逐艦に比べてレーダーに捕捉されにくい設計を採用。ハリス司令官は「ズムウォルトの独特の船体における技術と屈強な乗員の知恵が平和を守る」と胸を張っていた。
ズムウォルトの建造には44億ドル(約5000億円)かかったと伝えられている。海軍は当初、20隻あまりを発注する計画だったが、予算オーバーや予定のずれ込みで、発注はわずか3隻に縮小された。
米会計検査院によると、この3隻のためにかかった総費用は220億ドル(約2兆4700億円)を超えている。