米議会で予算案の合意成立、「壁」建設費は盛り込まず
(CNN) 米議会で30日夜、与党・共和党と野党・民主党が9月末までの予算案で合意に達し、政府機関の閉鎖は回避される見通しとなった。両党の議会関係者らがCNNに語った。
米国では昨年秋からの2017年度予算が成立せず、議会が暫定予算を組んで対応してきた。暫定予算は4月28日の期限切れ直前に1週間延長されたが、新たな期限までに本予算が成立しなければ政府機関が一部閉鎖に追い込まれる恐れがあった。
与野党はこれを回避しようと、合意を急いでいた。政権を担う共和党の議員らは特に、政府閉鎖で非難される事態を避けたいとの意向が強い。
合意案は、国防総省や国境警備関連の予算を数十億ドル追加する内容。一方、トランプ大統領が主張してきたメキシコ国境の壁の建設費用は盛り込まれていない。
トランプ氏はまた、オバマ前政権による医療保険制度改革(オバマケア)の見直しに向け、保険会社へ支払われる補助金の停止を主張していたが、民主党の反発を受けて撤回した。
民主党のシューマー上院院内総務は30日、同党の方針に沿った合意内容だとする声明を発表した。
合意に基づく予算案は、今週中に上下両院で採決にかけられる見通しだ。