本土から遠く離れた島々をめぐる日本と中国の争い
香港(CNN) 日本政府による尖閣諸島(中国名・釣魚島)の国有化をめぐり、中国各地で反日デモが続いている。
背景には歴史的経緯もあるが、今回、日本と中国と台湾が領有権を主張している諸島の購入計画を、4月に東京都の石原慎太郎都知事が表明。石原知事は当初、日本政府に知らせることも、許可を得ることもなく、尖閣諸島(中国名・釣魚島)を民間の所有者から買い取る計画を表明した。これに対して中国が反発を強める中、日本政府は同諸島の国有化を余儀なくされた。野田首相はCNNのインタビューに対し、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土であり、両国間に領有権の問題は存在しないと説明。今回浮上したのは、尖閣諸島を所有するのが個人か東京都か国かという日本国内の問題のみだと強調し、こうした立場を中国側に明確に説明する必要があるとの認識を示していた。
両国政府の応酬が続く中、両国の活動家はそれぞれ自国の領有権を主張して直接的な行動に出るようになった。
今回のデモをめぐり、中国政府は国民に対し、自制と「理性的な愛国心」を持つよう呼びかけている。パネッタ米国防長官は「全方面に平穏と自制」を促すと発言した。
中国では日本に対して経済制裁を科すべきだとの論調も出始めている。中国商務省の貿易研究機関幹部、金柏松氏は英字紙チャイナ・デーリーに寄せた寄稿で、世界貿易機関(WTO)の規制を利用して、日本に対する「重要物資」の輸出を規制すべきだとの自説を展開。「世界的な金融危機により、日本経済の中国に対する依存度は高まった。中国は制裁に出ることにより、自国をそれほど傷つけることなく、日本経済に大打撃を与えることができる」と主張している。