イラク、テロ有罪１１人の死刑を執行　人権団体から懸念の声

（ＣＮＮ） イラク司法省は７日、テロで有罪となった死刑囚１１人の刑を執行したと発表した。ＣＮＮの集計によると、同国では昨年１１月以降１００人以上の処刑が行われ、国際人権団体などが懸念を表明している。

司法省によれば、死刑囚はいずれも、イラク人に対する殺人や爆弾テロを実行したとして有罪判決を受けていた。当局者らによれば、４日にもテロで有罪となった６人の死刑が執行された。

イラクでは今年に入り、最初の４０日間だけで６５人が処刑された。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのジョー・ストーク氏は８月、ＣＮＮとのインタビューで「死刑囚が何の罪に問われたのか、テロという言葉だけでは分からない」と指摘した。

国連のピレイ人権高等弁務官は今年、１日に３４人が処刑されたとの情報を受け、「たとえ厳正な裁判の結果だったとしても、１日で執行する人数としては恐るべき数だ」と懸念を表明。同国に死刑執行の一時停止を求めていた。

同国では宗派間対立や政争がくすぶり続けるなか、先月の死者が３６５人と２０１０年８月以来最悪の数字を記録するなど、暴力の再燃が懸念されている。