イラン、米国籍のキリスト教牧師に禁錮8年
(CNN) イラン革命裁判所はこのほど、キリスト教徒への支援活動などを理由に拘束された米国人のサイード・アベディニ牧師に、禁錮8年の刑を言い渡した。キリスト教系非政府組織(NGO)「法と正義のための米センター(ACLJ)」が27日、明らかにした。
ACLJによると、アベディニ牧師はイラン生まれで、13年前にイスラム教からキリスト教に改宗。妻子とともに米アイダホ州に住んでいたが、イランを訪れた際に拘束され、昨年9月以降収監されていた。CNNは裁判の経緯を確認していない。
同牧師はイランでキリスト教徒の自宅礼拝などを手助けしていたことから、同国政府の転覆を図った罪に問われたとみられる。ACLJによると、担当の判事は、基本的人権を無視した厳しい判決で知られ、欧州連合(EU)の制裁対象になっているという。
ACLJ幹部は裁判を「茶番だ」と批判し、「イラン当局は当初からすべてをうそで固めてきた」として、各国市民に抗議を呼び掛けた。米国務省のハラデー報道官も「イラン当局にアベディニ氏の人権を尊重し、同氏を釈放するよう求める」との声明を出した。
イランの国営メディアはアベディニ牧師がまもなく保釈されると伝えたが、同牧師の妻は「明らかなうそだ」と非難した。同牧師は過去にも10回、イラン当局に拘束されたことがあるという。