エジプト軍が介入を通告、48時間以内の「秩序回復」迫る
カイロ(CNN) ムルシ大統領の辞任を要求するデモが広がっているエジプトで、軍は1日に声明を発表し、政府が48時間以内に国民の要求に応えなければ、秩序回復のため介入すると通告した。
軍の声明はラジオとテレビを通じてエジプト全土で放送された。今回の通告について「我が国の歴史的瞬間について責任を担う最後の機会」と位置付けている。
ただ、軍の報道官は同日、「軍事クーデーターは容認しない」と言明し、声明の意図は、早期解決と国家的合意を促すことにあり、軍が政治勢力や支配勢力に加担する意図はないとコメントした。
首都カイロ中心部のタハリール広場では、ラジオや携帯電話から軍の声明が流れると、集まっていたデモ隊から歓声が上がった。
同国指導部に近い関係者によると、軍は政治に直接介入する意図はないとしながらも、エジプトで初めて民意によって選ばれた大統領に対し、大統領の出身母体である「ムスリム同胞団」の影響力を低下させるとともに、大統領選と議会選を早期に実施して、政権の立て直しを図るよう要求しているという。
ムルシ大統領はこの発表の直後に、カンディール首相や軍のトップのシシ国防相らと会って対応を協議したことを明らかにした。会談の内容は公表していない。