スズメバチ被害拡大 死傷者1700人超 中国
香港(CNN) 中国で猛毒を持つオオスズメバチに刺される被害が続出し、これまでに40人以上が死亡、1600人を超す負傷者が出ている。
米国の専門家によると、オオスズメバチは赤血球を破壊する毒を持ち、刺されれば腎不全を起こして死亡することもある。また、急性アレルギー反応のアナフィラキシーショックを起こして死に至る危険はさらに大きいという。
地元当局によると、中部の陝西(せんせい)省では7月以来、3都市で42人が死亡、1675人が負傷した。そのうち37人が重傷または重体となっている。
オオスズメバチは世界最大種のスズメバチで、中国、韓国、日本、インド、ネパールなど東アジアから東南アジアにかけて生息する。体長は3.5~3.9センチ、女王蜂は5センチを超すこともある。新華社通信によれば、人間の汗やアルコール、甘い香りなどに引き寄せられ、特に走っている人間や動物には敏感に反応するという。
巣は木の空洞や地下に作ることが多く、森林総合研究所北海道支所の牧野俊一支所長によれば、通常は隠れた場所に巣があることから、攻撃を避けるのは極めて難しいという。
中国ではこの夏から秋にかけて農場や学校が相次いで襲われた。農作業中に刺されたという女性は新華社の取材に対し、「ハチは私の頭を直撃し、両足に群がった。突然刺されて動けなくなった。今でも足はハチに刺された穴だらけだ」と振り返る。