米NSAがメキシコ政府を監視か 独誌報道
(CNN) 米国家安全保障局(NSA)がメキシコ政府を組織的に監視していたと、ドイツ誌シュピーゲルが報道した。メキシコ政府は20日、「受け入れられない不法行為だ」と米国を強く非難した。
同誌によると、NSAはメキシコのカルデロン前大統領の公式メールアカウントに侵入するなどして通信を傍受していた。このアカウントは当時の閣僚も利用していたという。同誌は、NSAによる監視活動を暴露したエドワード・スノーデン容疑者が流した機密文書から、この情報を入手したとしている。
メキシコ外務省は声明で、「この活動はメキシコ法と国際法に違反している。パートナー関係にある隣国にあるまじき行為だ」と強い反発を示し、事実関係を早急に調べると述べた。
米国務省高官がCNNに語ったところによると、この報道についてメキシコ政府から米政府に連絡があり、両国は外交ルートを通じて協議する予定だという。NSAは「具体的な情報収集活動については公にコメントしない」との姿勢を貫いている。
NSAの活動を巡っては、今年9月にもメキシコとブラジルの現大統領の通信を傍受していたとの報道が流れ、両国が米大使を呼んで説明を求めていた。