フィリピン台風 死者1万人の情報も、被害の全容解明はまだ
(CNN) フィリピン中部の島しょを直撃した超大型台風30号(ハイエン)の被害で、最大の被災地とされるタクロバン市があるレイテ州(島)の警察首脳は10日、同州内だけで最大1万人の住民らが死亡した恐れがあるとの懸念を示した。フランス通信(AFP)が伝えた。
警察幹部によると、この数字はレイテ州政府当局者との9日夜の会合で持ち出されたという。
台風による犠牲者数についてはフィリピン赤十字の責任者が、タクロバン市で推定1000人、隣接するサマール島で200人との見方を示していた。
同国政府は10日朝の段階で、確認した死者は151人、負傷者は23人と発表している。自宅などを失った住民は47万7000人以上としている。
台風30号がもたらした被害の全容解明にはあと数日間かかるとの見方がある。被災地との通信網が遮断され、進入が依然不可能な地域も多い。今回の台風は、国土に上陸した台風では歴史上、最大勢力との指摘もある。
壊滅的な被害を受けたタクロバン市では略奪行為の発生も伝えられ、国家警察と軍は10日、警官らの追加派遣に踏み切った。地元メディアは、市内の食料品店や現金自動出入機(ATM)を襲う住民らの姿をとらえたビデオ画像を流した。