イエメンで米大使館職員の誘拐未遂、容疑者2人を射殺
(CNN) 中東イエメンで先月末、米大使館の職員2人が国際テロ組織アルカイダ系武装勢力の2人組に襲われる拉致未遂事件が起きていたことが11日までに分かった。職員の1人が2人組を射殺した。
イエメン当局者が10日、CNNに語ったところによると、事件は4月24日に発生した。2人組は「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」のメンバー。現場は多くの外国人が利用する理髪店の前だった。
同当局者によると、米大使館職員は安全確保のため外出を禁じられているが、2人はこの規則に反して理髪店へ出かけたという。米国務省の報道担当者も事実を確認し、職員2人はすでにイエメン国外へ退去したと述べた。
イエメンは先月下旬から、南部アビヤン、シャブワ両州などで米国と共同の対AQAP掃討作戦を展開している。米軍によるとみられる無人機攻撃で民間人の死者が出ていることに対し、現地住民らが反感を募らせている。イエメンの同当局者は、殺害された2人組はAQAPのメンバーで非武装の民間人とは違うと強調した。
米大使館は7日、AQAPとの戦闘が激化し首都サヌアなどで安全上の懸念が高まっているとして、無期限閉鎖の措置を取った。イエメン内務当局の高官は、拉致事件が閉鎖措置のきっかけになったとの見方を示した。
イエメン国防省によると、シャブワ州では10日、治安部隊がAQAPの戦闘員7人を殺害した。