リビア沖で難民船沈没、40人死亡
リビア・トリポリ(CNN) リビアの首都トリポリ沖で11日、難民を乗せた船が沈没し、リビア内務省によると少なくとも40人が死亡した。約50人は救助されたが、行方不明者も出ているという。
乗船者の国籍は不明だが、内務省報道官によれば、リビアはアフリカ大陸からイタリアやマルタなどの欧州各国に船で渡るための中継地として、難民が大量に不法入国して大きな問題になっているという。難民はサハラ砂漠以南の国や、近隣のエジプトやチュニジアなどの出身者が大半を占め、最近ではシリアからの難民も増えている。
難民の流入は殺人や強盗などの犯罪が増加する一因にもなっていると報道官は述べ、この問題への対応に関して欧州各国にはリビアを支援する義務があると強調した。
この問題に関してリビアの内相代行は10日、「欧州連合(EU)などが責任を果たさなければ、リビアは(難民の)通過を容易にして欧州に大量流入させる」と警告。リビアは既に代償を払っており、今度はEUが代償を払う番だと主張した。
リビアは2011年のカダフィ政権崩壊以降、難民への対応に苦慮しており、欧州を目指す船に乗ろうとしていた400人以上を1日で拘束したこともあるという。
リビア暫定政権は、「難民の流れを食い止めるため、引き続きイタリアをはじめとする全関係国と協力して国境監視に当たる」との声明を発表した。