シリア内戦の死者、激増し19万1千人余に 新たな国連統計
(CNN) 国連は23日までに、シリア内戦に関連し2011年3月から今年4月までの死亡者数が19万1369人に達したとの新たなデータを公表した。これまでの犠牲者数を大きく上回るものだが、実際の数字はより多いとも見ている。
新たな統計は殺害が起きたとされる31万8910件の事件を分析し、死亡が発生した日時や場所も調べた。これら情報の出所は、重複を避けるために異なる5系統に頼ったという。
死者数で戦闘員と非戦闘員の区別は出来なかったとしている。
犠牲者が最多だったのは首都ダマスカスの郊外などで約4万人。次いで北部アレッポの約3万2000人、中部ホムスの2万8000人余などだった。
犠牲者の約85%は男性で、女性は9.3%。子どもの死者は少なくとも8803人で、4分の1以上が10歳以下。ただ、子どもの実際の被害者はより多い可能性があるとしている。殺害が起きた件数のうち80%以上で死者の年齢は特定できなかったという。
ピレイ国連人権高等弁務官は今回の新たな統計の公表に当たり、虐殺を減らせない国連安全保障理事会の無策ぶりを非難。シリアの殺人者、破壊者や拷問者は行動を起こさない国際社会を見てさらに大胆になっているなどと糾弾した。戦争犯罪や人道に対する罪が全く罰せられることなく行われているとも強調した。
シリア内戦は11年春から本格化し、アサド政権軍や反政府派の武装組織は互いに相手の人権侵害行為を非難している。