香港の「狼」と非難のトップ、住民に「羊」敬う行動促す
香港(CNN) 香港の自治政府トップの梁振英行政長官は18日、中国の旧正月入りを迎えての公式声明を発表し、今年の干支(えと)の「ひつじ」にちなみ、「全ての住民が羊の性格を見習い、香港の将来のため受け入れられる形で団結する必要性」を訴えた。
「羊は温厚な性格で集団で平和的に暮らす優しい動物として広く知られる」とも主張。また、昨年は香港にとって楽な道程ではなかったとも述べた。同長官の支持率は低く、反対派は「狼(おおかみ)」との非難も浴びせている。
香港では昨年末、行政長官選挙の民主化実現をめぐって学生らによる異例の街頭占拠運動が長期にわたって続き、梁振英氏の辞任も求めていた。自治政府が打ち出した長官の新たな選出手続きは中国政府の意向の産物であり、立候補者の選別を制限するものと非難していた。
中国政府寄りと評される同氏はこれらの要求をはねつけていた。
街頭デモに参加していた立法会(議会に相当)議員は今回の公式声明に反発。「狼と呼ばれていることを知らないのだろうか」と発言。「住民に羊のように振る舞ってもらい、狼になぶり殺されて食べられてしまうのを待てと言いたいのだろうか」と主張した。
香港では2013年、同長官の批判派が梁振英氏に狼の縫いぐるみを投げ付ける騒ぎが発生。これがきっかけで地域内の商店でこの種の商品が売り切れる結末ともなっていた。