トランプ氏は「キリスト教徒でない」、ローマ法王が壁建設批判
(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は18日、米大統領選で共和党の指名獲得を目指す実業家ドナルド・トランプ氏について、もし不法移民の強制送還やメキシコ国境における壁の建設を求めるならば「キリスト教徒ではない」と述べた。
トランプ氏は米国とメキシコの国境に壁を建設する案や、約1100万人の不法移民を強制送還する政策を唱えている。
法王は訪問先のメキシコからローマに戻る機中で、記者団からトランプ氏の不法移民対策案について問われてこう述べた。
「どこであれ壁を築くことしか考えず、橋を架けることを考えない人間はキリスト教徒ではない」
これを受けてトランプ氏は声明で、法王のコメントは「恥ずべきもの」だと反発。「どんな指導者にも、宗教指導者であればなおさら、他の人間の宗教や信仰について疑義を呈する権利はない」と述べるとともに、メキシコ政府が「法王に対して私の悪口を多く吹き込んだ」との考えを示した。
またトランプ氏は「もしバチカンがISISの攻撃を受けたら、法王はドナルド・トランプが大統領だったらと祈らずにはいられないだろう」とも述べた。
法王は17日、国境の町シウダフアレスでミサを行い、中央アメリカの人々が移民とならざるを得ない状況を「人類の悲劇」「人道危機」だと述べ、米国とメキシコ両国の指導者を批判した。
「移民たちは、最も貧しい者たちを誘惑し破滅へと追い込む網へと巻き込まれている」と法王は述べた。