米、リビアでISIS拠点の空爆開始
(CNN) 米国防総省は1日、リビア沿岸部のシルトで過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する空爆を実施したことを明らかにした。今後同国での空爆を継続するという。
国防総省のクック報道官によると、空爆はリビア国民合意政府(GNA)の要請を受け、同国にあるISISの拠点攻撃を援護する目的で実施した。
GNAと連携する部隊はこれまでのところ、シルテ周辺でISISに占領された地域を奪還することに成功したという。米国は引き続きISISに対する空爆を続け、GNAの確実な進攻を援護する方針。
クック報道官は、「米国は国際社会と共に、リビアの安定を取り戻し、安全を確保しようとするGNAを支援する。そうした行動は、ISISがリビアに拠点を築き、そこから米国や同盟国を攻撃する事態を阻止する一助となる」と説明した。
ホワイトハウスは、オバマ大統領がカーター国防長官の提言を受けて空爆を承認したと発表した。
米中央情報局(CIA)のブレナン長官は先の議会証言で、リビアのISISはイラクやシリアに加えて「最も危険な」存在になったと指摘。欧州に近いことも問題だとの認識を示していた。
国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、シルトでは住民がISISに食料や医薬品、燃料、現金などを横取りされ、住人が逃げ出した住宅を占領されて窮状に陥っていた。
民家の略奪や破壊も横行し、シルトの人口8万人のうち3分の2以上が避難したと伝えられている。