使う言葉が脳をコントロールする~心の持ち方を変えるだけで劇的に変わる英会話学習
語学の天才がみな共通してやること
楽しく習慣化するには
「正確なアウトプットを以って、正確なインプットを終了させる」を口癖にしている私は、自分がインプットしたつもりでも、正確に口に出せなければ、最初からインプットをやり直している。インプットしたことを自分の口で「音」にして出し、ちゃんと言えたら合格だ。
語学の達人と呼ばれる人達は皆、反復に飽きず、絶えず口に出し続けて語学を習得している。その反復が習慣化できる環境はぜひ整えたいものだ。
その点において、近年の英会話学習は常識が覆され続けている。旧式の語学学習は受験英語に代表されるように、暗記、根気、年季の世界で、努力しても報いが少ないものだった。しかも、音声が不在の英語学習が主流だった。
しかし最近は、英語学習もインターネットと融合し、ネイティブ・スピーカーとオンラインで実際に会話できるものになってきた。そのおかげで、仕事の空き時間を見つけて勉強することも可能になった。またインターネット環境さえあれば、時間、場所を問わずオンラインで何度も繰り返して勉強できる方法もある。こう考えると、昔と違って、今の英会話学習はスイッチングコストとしての負担が圧倒的に低くなっているのだ。
英会話が瞬発力を問い、かつ筋トレと似ている現象を脳内で起こしているということが科学的に分かった以上、何度でも、どこでも、いつでもアクセスできる英語環境をオンラインで手に入れさえすれば、場所をとらない健康器具を手に入れたに等しいと言えるだろう。もう、英語学習に苦しみを連想する時代は終わったのだ。
【著者紹介】
溝江 達英(みぞえ たつひで)
カナダ ラヴァル大学文学部日本語科主任
早稲田大学第一文学部、一橋大学大学院言語社会研究科を経て、カナダ ラヴァル大学文学部言語学科博士課程修了。言語学博士(Ph.D)
英語スピーチコンテスト優勝経験を持つ。英語に加え、仏、独、西、伊、露語も堪能な言語学者である。