ユーロ圏、7~9月期GDP0.1%減 2期連続マイナスに
ロンドン(CNNMoney) 欧州連合(EU)統計局は15日、ユーロ圏の7~9月期の実質域内総生産(GDP、速報値)が前期比0.1%減となったと発表した。同0.2%減だった4~6月期に続き2期連続のマイナス成長となり、2008年の以降2度目のリセッション(景気後退)が明らかになった。
政府の緊縮財政策や失業率の増加、ギリシャやスペインなどの経済の先行きが不透明なことが経済活動の足を引っ張ったとみられる。
ユーロ圏17カ国の中でドイツとフランスはプラス成長を維持した。だがドイツの7~9月期のGDPの伸び率は0.2%で、4~6月期の0.3%より減速した。先週発表された輸出と工業生産の不振を裏付けた形だ。
フランスは予想を上回る0.2%成長を記録。だがすでに景気後退に突入しているイタリア経済は回復せず、ユーロ圏経済の見通しは当面、暗いと専門家は指摘する。
金融大手INGのエコノミストは「GDPの数値を見ると、ユーロ圏経済全体のためにマクロ経済的な景気刺激策が強く求められていることは明らかだ」と指摘。「政府は緊縮財政策からの転換に二の足を踏んでいるようなので、ユーロ圏を持続的成長への道に戻すには、金融政策での景気刺激やユーロ安が必要だ」と分析する。
EU全体の7~9月期の成長率は0.1%となり、リセッション入りは免れた。五輪など一時的な景気刺激要因があった英国が全体を押し上げる一因となった。