存在感増しつつある中古車市場、新たな商機か 中国
まず、市場が著しく断片化されている。なかにはサッカースタジアムのように巨大な売り場もあるが、基本的には、数台を路上に駐車してあるだけのごく小さな販売店が多い。大抵、店員がその場におらず、販売員を電話で呼び出さねばならない。
また、市場がまだ未成熟であるため、値段の比較も難しい。顧客同士で情報交換をするためのウェブサイトも登場しているが、正確な情報はなかなか得られないのが現状だ。
さらに大きな懸念となるのは、安全面の問題だ。東莞のディーラーはたいてい決まって開口一番、「事故を起こしたことはない」などと言うが、実際には多くの中古車に事故歴がある。現地の顧客に聞くと、中国で中古車を購入するのはギャンブルのようなものだという。
特に中国車に関しては、安全基準を満たしていないのではないかと心配する声が強い。欧州の衝突安全テスト「ユーロNCAP」で中国車が初めて満点の5つ星を獲得したのは、つい昨年のことだ。
まず売り場を訪れ、オンラインで値段を確認し、販売員の言葉には耳を貸さない――これが中国で中古車を購入する際の秘訣(ひけつ)のようだ。