日経平均が15年ぶりの高水準、その理由は?
香港(CNNMoney) 日本の株式市場が好調だ。12日の東京株式市場の日経平均株価は一時、約15年ぶりに1万9000円台を回復した。
日経平均株価の動きは、世界の多くの株式市場を上回っている。今年に入り日経平均が8.4%上昇しているのに対し、FTSEは2.4%しか上がっていないし、S&P500種指数は横ばいだ。
理由は何か。
円安というありがちな答えは、要因の1つではあるにせよ、今回はあてはまらない。確かに2012年以降の日経平均の上昇を支えてきたのは円安だが、今年に入って円ドルレートにほぼ変化はない。
景気回復も違う。日本経済はデフレに戻るすれすれのところにおり、昨年の日本経済はゼロ成長だった。
だが投資家が見ているのは日本経済の別の側面だ。日本株はまだ比較的安値であり、企業の利益は過去最高水準にあり、中央銀行は市場への資金供給に積極的だ――。
また、トヨタをはじめとする多くの大手輸出企業の昨年の業績はすばらしかった。日立やパナソニック、キヤノンといった電子機器大手も業績予想を上方修正するに至った。
13兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の方針転換もプラスの影響を及ぼした。債券買い入れを減らし、国内外の株式保有高をほぼ倍にしたのだ。
もっとも、株高がどこまで続くか疑問視する声もある。上昇基調を維持できるかどうかは、いわゆるアベノミスクにかかっていると言えるだろう。安倍首相が構造改革をなし遂げ、「日本株式会社」の悪習の一部を断つことができれば、市場は大歓迎だ。
また多くのアナリストは、日本銀行は今後数カ月にわたって景気刺激策を延長するとみている。