シリア大統領のおじの不動産差し押さえ スペイン最高裁
ブエノスアイレス(CNNMoney) スペインの最高裁判所は6日までに、シリアのバッシャール・アサド大統領のおじらがスペイン国内に保有する多数の不動産の差し押さえを命じた。
スペイン政府当局などによると、資金洗浄容疑の捜査に絡む措置。没収したのはおじのリファアト・アサド元副大統領(71)とその親族が所有する計503件の不動産物件。休暇用の家屋、豪華アパートや農場などで6億9100万ユーロ(約815億円)相当の価値があるとされる。これらの物件のほぼ全部はマルベーリャ市と豪華ヨットが停泊する同市のマリーナ地区「プエルトバヌス」にあるという。
今回のスペイン内での関連捜査では、リファアト元副大統領と関係がある個人16人が対象となった。2人の妻、6人の子どもと同容疑者がスペイン内に保持する資産管理に当たっていたと見られるスペイン人1人などが含まれる。
リファアト元副大統領は個人的な利益確保を図るためシリアの国庫歳入に最大で3億米ドル(約333億円)の損失を生じさせた疑いがある。
元副大統領は1980年代、兄弟でアサド現大統領の父でもあったハフェズ・アサド大統領の統治時代に副大統領を務めていた。84年にハフェズ氏が心臓疾患から回復していた際に権力奪取を試みたが失敗し、海外の逃亡生活を強いられた。欧州中心に拠点を構え、2000年にハフェズ氏が死去した際、再びシリアの実権掌握を狙ったがこれも失敗していた。
リファアト元副大統領は2013年、当時居住していたフランスでシリアの基金横領やアサド一族絡みの不動産差し押さえの容疑で捜査を受けたこともあった。